ししとー(理系)の考察録

将棋と生物学系の知識、時事について考察するブログ

「遺伝子」についてわかりやすく解説してみた

 

以前、遺伝子組み換え作物についての記事を書いたが、遺伝子についてはあまり触れなかった。

 

shishitohpepper.hatenablog.com

というのも、端的に説明することが難しいほど、遺伝子というものは概念的で、曖昧で、しっかり理解するためには背景的な理解が多く必要な言葉なのである。

そこで今回は、遺伝子とは何?という話に少し踏み込んで説明しようと思う。

 

 

1、人の体はタンパク質から出来ている!

 

一言で言うと、遺伝子は人の体の設計図である。これについては上記の遺伝子組み換え作物の記事で説明したとおりだ。


ではそもそも、「人間の体は何からできているのか」 という話をする。

 

人の体を大きく分ければ、目や腕、足などのパーツに分解できる。
では、その腕や足は・・・筋肉や血液、皮膚などからできている。
では、その筋肉や皮膚は・・・ご存知の通り細胞からできている。

 

・・・では細胞は?

 

答えを先に言うと、細胞は主に水とタンパク質から出来ている。
水が70%、たんぱく質が15%、残りがその他という割合だ。

 

 

つまり、非常に小さな単位まで人間をバラバラにすると、人間の体はタンパク質と水から出来ている、ということが分かると思う。

このタンパク質の形成に遺伝子は大きく関わっている。

 


2、タンパク質とアミノ酸

 

これまでから、人間の体は水とタンパク質から出来ていて、そのタンパク質を作ることに遺伝子が関わっていることが分かった。

 

それではタンパク質は何?という疑問に答えていく。

 

タンパク質とは、「アミノ酸が非常に多く集まって立体構造をとったモノ」である。


具体的には酵素(アミラーゼ)とかがタンパク質。毒とかもタンパク質から出来ている。かの有名なコラーゲンもタンパク質。(コラーゲンを食べても体に良い効果はたぶんないからオススメしない

 

まあ、生物として形あるものの多くがタンパク質を含んでいると思ってもらって良いと思う。

 

ここで注意点が一つあるが、タンパク質は数ある物質の総称である。

(本当はドラゴンクエストやFF、モンハンなど色々な種類があるのだけれど、まとめてゲームソフトと言ってるようなもの。)

 

 

では次に、「アミノ酸は何?」という質問に答える。

アミノ酸とは、アミノ基とカルボキシル基の両方の官能基を持つ有機化合物の総称である。(Wikipediaより引用)

 

よくわからんって方は、アミノ酸は目に見えないもの凄く小さな物質、という認識でいいと思う。とにかくそれだけ小さな、化学式で簡単に表せるような物質がたくさん集まってタンパク質ができているのだ。

 

そして、タンパク質の組成や種類は、アミノ酸の種類と数、並び方によって決まる。

細かい話をすると、リボソームと呼ばれる細胞内小器官がアミノ酸をくっつけてタンパク質を作っている。

 

そこで、そのリボソームがタンパク質を作る際に用いる、アミノ酸の並び方を示している設計図が遺伝子である!


4、遺伝子とは?

 

では、具体的に遺伝子とは何か、という話をする。

 

遺伝子とはDNAである!

 

・・・遺伝子の本体はDNAという話はよく聞くと思う。本体って何だよという話だが、遺伝子は機能的な名前で、DNAが物質的な名前と考えてほしい。

本(機能的な名前)と紙束(物質的な名前)のようなものだ。

 

そして、遺伝子は細胞内にある核という部分に収納されている。核の中には染色体という物質が入っており、この染色体はヒストンと呼ばれるタンパク質と、DNAから出来ている。


ここで一度整理すると、

 

 

細胞の一部⇒核の一部⇒染色体の一部⇒DNA

という感じ。

 

そしてDNAはさらに、塩基というパーツをつなぎ合わせて出来ており、塩基は4種類存在し、具体的にA,T,C,Gという塩基がある。
このパーツの順番をもとに、アミノ酸を並び替えてタンパク質が作られるのだ。

 

つまり遺伝子とは、タンパク質を形成するアミノ酸の並び順を決める設計図であり、
具体的にはDNAという物質である。
DNAは、塩基という4種類のパーツから構成されてお(ATCGATCTAGCTAGCTGCATGCATG・・・)
となっており、細胞内の核という場所に収納されている。

 

ここで注意してほしいのが、DNAはあくまで設計図であって、パーツではない。
DNAをもとにアミノ酸は作られるが、アミノ酸を細かくバラバラにしてもDNAにはならない。

 

チャーハンに例えると

タンパク質がチャーハン。
米、塩、コショウ、醤油、卵、油がタンパク質。

料理人にあたるのがリボソーム

「チャーハンの作り方」という概念が遺伝子。DNAはレシピの本。塩基は単語。


こんな感じである。


5、まとめ

・遺伝子はタンパク質の設計図。
人はタンパク質がたくさん集まってできているから、タンパク質の量や種類の細かな違いが、顔の違いや身長の違いの主な要因になる。

 

・遺伝子の具体的な物質はDNADNAは塩基というパーツから構成されており、
塩基の並び順がアミノ酸の種類と量、並び順を決定する。

 


・・・相当かみ砕いて書いたつもりだが、それでもやはり、遺伝子という目に見えないモノの理解は難しい面があるかもしれない。

 

少しでもこの記事が皆さんの理解に繋がってもらえれば幸いだ。

 


それでは。